高齢者のカルシウム不足が深刻

カルシウムが不足するとどうなるか

日本人のカルシウム不足が問題になっています。とりわけ高齢者のカルシウム不足は深刻と言えます。1日あたりに必要なカルシウム量は、成人の場合600㎎とされていますが、日本人の約70%は、必要量のカルシウムを摂取できておらず、慢性的に不足しているそうです。

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それは、日本人の食生活が小魚や野菜中心の和食から、肉料理が中心の洋食やファストフード、インスタント食品中心に大きく変化した事が原因のひとつとしてあげられています。

では、高齢者がカルシウム不足になった場合、どうなるのでしょうか?

カルシウム不足が原因で起こる症状

高齢者がカルシウム不足になった場合、具体的には次のような症状が表れます。

骨がもろくなり、骨粗鬆症(骨そしょう症)や骨軟化症を引き起こす
骨には、体内のカルシウムの約99%が貯蔵されています。その他は血液中に常に一定の量を保って存在しており、体中の細胞の働きをコントロールしているのです。

しかし、摂取されるカルシウムが不足すると、血液中のカルシウムの濃度を一定に保つため、骨のカルシウムから血液中に溶かし出されます。
それが長期間に渡って続けば、骨はもろくスカスカになってしまい、「骨そしょう症」や骨が軟らかくなってしまう「骨軟化症」を引き起こし、ちょっとした事でも骨折しやすくなるのです。

歯がもろくなる
カルシウムは歯の原料にもなっています。不足すれば歯や歯ぐきももろくなります。

高血圧を引き起こし、動脈硬化の危険性が高まる
カルシウムが不足すると、血液中のカルシウムの濃度を一定に保つために副甲状腺ホルモンの働きで骨からカルシウムが取り出されます。

血管内に押し出されたカルシウムは、血管を収縮させるため血圧が上がり、高血圧を引き起こします。高血圧になると血管にコレステロールが付着しやすくなり、動脈硬化を引き起こす危険性が高くなるのです。

心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなる
動脈硬化が進行すると、心臓や脳で血管がつまり心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。

神経過敏になりイライラする
カルシウムは、刺激に対する神経の感受性を鎮める働きがあるため、不足して血液中のカルシウム濃度が低くなるとイライラしやすくなります。

またイライラするとストレスがたまりますが、ストレスがたまると副腎皮質ホルモンが分泌され、腸からのカルシウムの吸収をさまたげるとともに尿からカルシウムを排出してしまうため、さらにカルシウムが不足します。

認知症やアルツハイマーの原因のひとつになる
カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンは、骨からカルシウムを取り出し、さらに脳の細胞の中にカルシウムを押し込みます。カルシウムが細胞の中に増えてしまうとうまく情報が伝わらなくなります。

さらにカルシウムが細胞の中に増えると脳細胞は死んでしまい、再生することもありません。そのため、カルシウム不足は認知症やアルツハイマーの原因のひとつになると言われています。

アトピーや喘息などのアレルギー反応を起こしやすくなる
カルシウムは、アレルギーの過剰な反応を抑える働きがありますが、不足する事により抑えることができなくなり、アトピーや喘息などのアレルギー反応を起こしやすくなります。

がんの発生を防げなくなる
がん細胞は毎日のように身体の中にできていますが、成長する前に免疫細胞の働きで取り除かれています。しかし、カルシウムが不足して副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを取り出す時に、免疫細胞内にも余分な細胞を押し込んでしまうのです。

その結果、免疫細胞に正しい情報が伝わらなくなり、せっかくの免疫システムが正常に働かなくなるため、がんの発生を抑えられなくなるのです。

肩こり、腰痛、坐骨神経痛などを引き起こす
カルシウムの不足が長期間続くと、骨や軟骨組織が弱くなってきます。その結果、慢性的な筋肉の異常緊張が起こり、肩こりや腰痛、坐骨神経痛などを引き起こします。

さらにそれが続くと末梢神経を圧迫したり損傷させたりするために、関節や筋肉に痛みが出て来るようになります。

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