パーキンソン病のリハビリテーション
近年、パーキンソン病の新薬や治療法は新しいものが次々と開発され、天寿をまっとうすることも可能な病気となっています。
パーキンソン病自体は命にかかわる病気ではありませんが、身体機能低下による感染症や転倒や転落による骨折で寝たきりになるケースが多くなっています。
また、全身的な合併症を起こさないためにも、パーキンソン病の患者さんにとっては、リハビリテーションが最も重要とされています。
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パーキンソン病のリハビリテーション
●運動療法
パーキンソン病の症状として、歩行困難や動作緩慢などが現れますが、そのまま放っておくと筋力が低下したり、関節拘縮をきたし、さらに病気が進行してしまう可能性があります。
そのため、パーキンソン病のリハビリテーションとして運動療法は最も重要なものとされ、近年ではパーキンソン病体操なども開発されています。
適切な運動療法を行う事により、症状の進行を遅らせる事は十分に可能です。
パーキンソン病は、前屈姿勢となりやすいので、鏡を見て姿勢を矯正したり、背中を壁につけて立つ練習も効果的です。
また、歩行障害のリハビリテーションとしては、歩行時に腰を伸ばし、踵から地面に足をつけ、腕を大きく振る方法などが有効です。
このような運動療法は、自分に合うものを少しずつ行い、毎日継続して行く事が大切です。
●音楽療法
音楽の持つリラクゼーション効果やヒーリング効果がパーキンソン病患者の精神に与える効果は大きいと言われます。
運動療法と組み合わせて音楽療法を行うとさらに効果的です。
●発語練習
パーキンソン病では、一般に声が小さく聞き取りにくいという症状が出ます。
また、口の中にだ液がたまりやすくなり、言葉の終わりの方が口の中でくぐもってしまい、さらに聞き取りにくい状態になります。
このような言語障害に対するリハビリテーションとしては、姿勢を正して深呼吸を行うことにより肺活量を増やしたり、口の周囲の筋肉の緊張をやわらげるためにマッサージを行ったり、なるべく大きな声で長く発声するという練習が効果的です。
●精神的なリハビリテーション
パーキンソン病の症状のひとつに抑うつ症状があります。病気に対して悲壮感や失望感を持ち、将来への不安からさらにうつ状態になると、薬の効果も半減して結果として病気の進行を助長してしまいます。
病気の進行を遅らせるには、身体的なリハビリテーションと平行して精神的なリハビリテーションを行う事が重要になります。
まずは、パーキンソン病というものを理解し、決して悲壮感を持つ必要のない病気である事を自覚する事が大切です。
精神的に前向きな姿勢をとることにより、身体的なリハビリテーションとの相乗効果を上げて行くことが可能になります。
家族の理解と協力
パーキンソン病のリハビリテーションに関しては、介護にあたる家族の理解と協力がとても大切です。
歩行困難や動作緩慢が見られるとき、手を貸して良い時と、手を貸さずに見守るほうが良い時があり、それを見極める必要があるからです。
食事に時間がかかって十分な栄養が取れない場合は、食事の回数を増やしたり、便秘がちな場合は水分を多めにとらせるなどの工夫も必要になります。
転倒による外傷を防ぐため、室内をかたづけておくなどの環境の整備も必要です。
現在の日本では、介護保険制度も整備されて来ましたので、パーキンソン病の患者さんのより良いリハビリテーションのために、訪問看護や訪問リハビリを上手に利用して行くのもひとつの方法です。
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